『心拍数が上がるのはさ,自分で自分にプレッシャーかけてるんと違う?』
「えっ,えぇ~っ!?」
『俺自身もあるもん。
緊張していたり,こうせなあかん,と思いながら走ると心拍数,上がるで。
そういう時は “これはパフォーマンスじゃなくてメンタルだ” と言い聞かせてリラックスするようにしてる。
おりちゃんの場合,ランニングに対しての苦手意識や緊張があるように思う。
だって心肺機能に異状があるなら,スイムでも心拍数,上がるはずやんか。』
「そうじゃん!
遡れば治療中に “薬の副作用で肺の細胞が潰れちゃうこともある” と聞いて “泳げなくなるくらいなら生き残る意味ないじゃん” ってすんごいショックで。
“自分は泳げないんだ,走れないんだ” と思い込みながら練習を始めた頃は,泳いでも息がすぐ上がっていたよ。
ところがある日突然 “泳いでも大丈夫なんだ” と感じて,苦しくなくなったんだよね。
でも走るのはダメだ。
むーん,思い込みな部分もあるのかな?」
『三好SATCランセッションの時とスイムセッションの時,顔つきや表情が全然違うところはあるよな。
ランの時は “走れません,全然ダメです” という表情がスイムになったとたん “泳げるで” ってケロッとしてる。』
「あはっ,確かにそうかも~。
言われて気付いたわ。
げーっ,だとしたら心肺機能の検査代,もったいなーい。
ま,念のため受けてみるけどね。」
語りはこのあとも続いて。
「あと少しで,あと一歩で大変革が自分の中で起こる気がするんだけど・・・うー。」 という話にまで広がり。
「ちょっとずつ変わってきているようには思うんだけど,こう,何て言うんだろ,惜しい!って感じ。」
『まぁな,表面的な部分は変わってきてるように見えるけど,根本,これまでの自分が創り上げてきた根っこがころっと向きを変えたら,もっと変われるで。
そのためにも人との仲で自分をさらけ出していけたら,いいんちゃうかな。』
「ほーほー。
さらけ出さないと入ってくるものも入ってこなさそうだよね。
って,どーすりゃええねん。」
『まずは自分にウソつかないこと,どっしりと軸を持つことやな。』
「でもさ,来るか来ないかわからない先を思い描くのは難しい。」
『ウソやん。
宮古島トライアスロン大会に出たい!とやってきて完走したやろ。
想いの軸がブレなかったからできたことやろうし,先を見てたわけやんか。
再発が,とか言うけど,あたかも再発します,と考えているように見える。
しない未来もあるわけだから,そっちも考えてやらんと。
最悪のことも考えつつ最高のことを考えて,最高のことを目指せばいい。』
「はー,ほー,へー。
また治療することになったら,と考えると何もかも意味ないように思えることがあって。
きっとちょうど5年前がんが見つかった時,それまで思い描いていたことを捨てなきゃならなくてそれがしんどくて。
期待すると失望するんだから,希望を持つのはやめよう,とは思っていたんだけど。
それって,全部,自分を守るためなんだよね。
何かあっても傷つかないように,というか。
でも一方では,宮古島トライアスロン大会に向かってきて今年4月に完走していて。
矛盾しているんだけどね。
想いが強かったんだろうね,トライアスロンという軸はブレてない。
そうそう,仕事も今日決まって。
こちらもこれからどうしていきたいか,軸ができつつあるように感じてる。
がんと生こまい!での活動も “変わるきっかけをくれたリレーフォーライフを中部でも” という想いが強いし,いろんな人から話を聴いてこれからに活かそうと動いているよね。
そうやって一つ一つ軸をしっかりとさせていくと,変わっていくところもあるんじゃないの?」
『うん。そういうところもあると思う。
根っこをちょっと変えれば,すべてひっくり返るというか変われるというか。
何だかんだ言って,治療が始まってから5年間生きてきてるわけやし。
当時は5年も生きれる,とは思わんかったんやろ?
ま,さらけ出せ,ってことっすよ』
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